HDD/DVD録画機を使いこなす[編集機能編]
P社とT社を比較する
編集機能を比較する
P社実践例
T社実践例
RD-E160の驚き
基本用語
超バグ警報
 パイオニア社のDVR-710H(以下、P社と略す)と東芝社のRD-XS36(以下、T社と略す)の編集機能を比較する。
  • データ管理
    編集の前に、まずデータの管理システムについて述べる。まずは録画データ一覧画面を比べてみよう。P社は基本的に、パソコンで言うルート階層のみの管理である。データには種別を定義出来るが、それは4種類に限られる。大量の情報を管理するには一見不向きなようだが、どうせ自分でも忘れる程にHDを一杯にすれば同じ事であり、ある意味、割り切っていると見れば実用的である。 T社はフォルダによる分類と、種別の定義とが出来る。フォルダは24個まで作成できる。その他にゴミ箱というフォルダがある。一見便利なようだが、ツリー状の表示が出来ず、うまく使わないと訳が分からなくなる。また、カレントディレクトリが自動的に動いてしまう場合があって、混乱する。例えば、あるフォルダには番組が一つしか無く、その中でそれを別フォルダに移動したとする。すると操作が完了した時にはそのフォルダが空になる訳だが、そうすると勝手に番組が保存されている別フォルダに行って、その中身が表示されるのである。これは先にファイルを移動させた移動先ではないらしいのだが、何が優先的に選ばれるのか良く分からない。

  • 交錯する機能
    さて、データの保存管理が出来たところで、編集に触れる。P社もT社も、基本的には録画した番組にチャプター境界となる編集点を入れ、それによって分割されたチャプタを消したり繋いだりして編集を行うという点では変わりはない。
    ところが実は、T社のシステムには変な点があって、例えばある番組が不要だからそれを消去しようという場合、番組一覧を表示するモード(見るナビという)内で消去操作をすると、その見るナビから自動的に抜けてしまうのである。幾つかの番組をそれぞれ消そうとすると、消す度に見るナビ内に戻るという操作(見るナビボタンを押す)が余分にかかる。実はこれには回避策がある。というか、例えばゴミ箱に移動というのを繰り返してから(ゴミ箱移動をしても見るナビからは飛び出さない。しかしこれも特定フォルダ内をまとめてゴミ箱に移動させるのに、クイックメニューを使うという手もあったりするのでややこしい)あとでゴミ箱の中身を消すか、編集モードへ行って(編集ナビを押す)一括消去を行うという方法があって、本当はこちらが主流らしいのだが、こうした機能の並びはおよそ直感的ではない。
    この複雑かつ混迷する機能配置は、実はチャプター編集にも全く同様に見られる。例えば、チャプター分割をしてから、余分なチャプターを消去したいとする。一つの方法は、見るナビに入り、当該番組を選んでからモードボタンを押して、表示をチャプターにしてその中で消去をする事である。この場合は、まず画面が番組一覧と良く似ていて紛らわしいのが第一の問題。そして、チャプターを実際に消去しようとすると、これまたチャプターを一つ消去する度に見るナビモードから出てしまうのが第二の問題。実はこの機能も全く同様で、編集ナビに行くことで上述の番組一括消去と同じようにまとめて消去出来るのだが、実に分かりにくい。
    更に、T社で実際に編集をするなら、実は最も合理的な方法が別にあり、それは番組データそのものを直接編集するのではなく、一度プレイリストというのを作成し、それをいじるというものなのだが、このあたりもマニュアルを見ただけでは、直ちに理解するのは無理なようだ。
    なお、先ほどから何度か出ている○○ナビというのは、言わばこのT社のシステムにある機能モードであって、録画した番組を選ぶための「見るナビ」、データを編集する為の「編集ナビ」、予約の為の「予約ナビ」、電子番組表と連動して予約が出来る「番組ナビ」という4つがある。ところが、例えば「見るナビ」と「編集ナビ」は実際に番組を編集してDVDに移そうとする時に、この両者を頻繁に行き来しなくてはならない程に機能が交錯している。また、容易に想像できるように、予約という点を見れば、予約ナビと番組ナビも似たようなものであろう。これらをそれぞれ一つにまとめ、2つのモードにしてくれた方がよほど使いやすいのではないかと思う。また、各ナビ画面から出るには、当該のナビボタンを押さなくてはならないのだが、ナビモードの中で別機能へ入ったらそこから出るには「戻る」ボタンを押すという具合で、一見似た操作に対するボタンの割当が一貫していない。一応、次にどうすればいいかは画面には表示されるのだが、いちいちそれを読んで次のボタンを選ばなくてはならず、直感的ではない。これと比べると、P社のシステムは「戻る」ボタンを押し続ければ、機能階層を一つずつ戻れる仕掛けになっていて、こちらの方が遥かに分かり易い。いちいち画面を見て確認しなくても操作できる。このあたりは、別ページとして用意した、「実践例」を見てもらうと分かると思う。

  • フレームの扱い
    P社はあまり明記されていないのだが、単純である。P社の場合、再生しながらチャプターの境界を決める時には、その位置はフレーム単位で決められる。P社の場合はプレイリストというものはない(DVD-RW媒体上でのVR記録にのみあるが、実用的には無いのと同じ)ので、編集するには録画データを直接編集する事になるが、その場合、境界の接続部分でゴミが入る事がある。一方、DVD(ここではvideoモード)を作成する時には、DVD作成メニューの中でフレーム境界を入れる事が出来、それはいわゆるGOP(基本用語参照)部分でしか境界が入れられないようになっている(正確には、本体設定でここでフレーム単位での編集を可能に出来るが、その場合には高速ダビングが出来なくなるので実用的ではない)。録画データを直接編集してカットした場合、それを直接DVDにするとつなぎ目ではゴミが出る事があるので、DVDにして保存する目的であれば、番組録画データそのものは編集せず、DVD作成の時にいじる方がいい。ただ、このあたりのコツはマニュアルを読んでも分かりにくいのが難点だが、例えば目的別の操作手順書を作ろうとするなら、作り易いシステムである。
    これに対して、T社のは遥かに複雑である。データそのものを編集する機能と、プレイリストを作って編集する機能があり、どちらもチャプター境界はフレーム単位で入れる事が出来る。プレイリストとは言わばエイリアス、或はショートカットのようなもので、データ本体とは独立にチャプター境界を定義する事が出来る(マニュアルには明記されていない)。これがまた、番組ナビ画面で見ると、データ本体とそっくりに見えてしまうので紛らわしい上に、マニュアルでもうまく書き分けられていない。編集の所でいきなりプレイリストを作る、なんて出て来るのだ。そしてそれに加えて、GOPの扱いはチャプターを入れてから後で調整するという方式をとっている。これらは基本的に編集ナビ内で行う訳だが、それがまた分かりにくい構成になっていて、しかもマニュアルにはいきなりGOPなんて話が出て来るので、一般ユーザは相当に混乱するのではなかろうか。
    ただ、T社の場合は番組全体のうちでどこにチャプター境界点を入れたかをグラフィカルに見る事が出来、また境界点をあとで動かす事も出来るのは大きなメリットである。P社の場合、どこに境界点を入れたかは、画面に情報を表示させ、入れた全境界点の数と現在のチャプター位置を参考にして把握するしかない。また、境界点の移動は出来ず、一旦チャプター同士を結合させてから、改めてチャプター境界を入れる必要がある。このあたりが、両社の考え方の違いが明確に出ている点であろう。
    という訳で、機能を割り切ったP社の方が一般向けであろう、と思う次第だ。

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