MacでHDTVをキャプチャする
用意する仕掛け一式
サンプル例
問題点など
 ここで示したような仕掛けは繋げば動くだけでなく、将来的にプロテクト信号の形式が変わっても問題はないなど(デジタル放送はプロテクトのパラメータが不定期に変更されている)、利点が多い。しかしながら良い点ばかりではなく、問題点を並べてみるとこんなものが思い当たる。

  • 価格が高い
    JACKALLとADVC-HD50を合わせると10万円を超える。というより、定価ではADVC-HD50単体で10万を超える。アマゾンなどで少し安価に購入出来るが、これらの他にHDMIケーブルなどを含めると、最終的に12万ほどの金額になる。ハイビジョン録画機や安価なMacを購入できる値段だ。それだけの費用対効果を受け入れられるかどうかが分かれ目であろう。

  • 画像の階調
    サンプルに掲載した大相撲の画像を見ると分かるのだが、照明を浴びる力士の肩のあたりが少しハイに飛んでいる。これはADVC-HD50の階調処理が8ビットの為のようで、その為か人の顔がアップになった時もシズル感(生々しさ)が少し失われてみえるようだ。10ビットくらいあれば全然違ったかもしれないが、これも気にするかどうかのレベルである。フルハイビジョン(1920x1080)でキャプチャしたものを、1280x720にするのであれば、それ程は気にはならない。結局はプロ用機器ではないのだから、ある程度は妥協も必要だろう。

  • ドルビーサラウンド
    音声もMPEG2ストリーム(2ch)に変換されるので、オリジナルがドルビーサラウンド放送であってもサラウンド成分は失われる。このあたりは放送コンテンツを別の方法でダイレクトにキャプチャするしか無いと思う。光音声成分だけをMacに取り込む方法もあるが、ADVC-HD50内で処理時間の分だけ遅延が発生するので、あとで合わせるのが大変になりそうだ。

  • ビュワー
    実は購入してからが意外だったのだが、入力DVストリームをダイレクトにモニタするプログラムが存在しない。つまり、Macをそのままテレビモニタにする事が出来ず、鑑賞する為には一旦録画したものを再生するしかないのである。通常のテレビ信号(SD)であればVidiなどの表示アプリが存在するが、HDTVのDV信号(HDV)用のアプリは存在しないのだ。iMovieで入力をモニタ出来るが、音声が出力されないので本当の意味でのモニタにならない。一度録画して再生してみて、初めて音声が正常かが分かる。色々調べてみたら、ScopeBoxというアプリのフリートライアル版で映像と音声のモニタリングが出来たが、それも小さい画面で確認するだけであった。これについては、そのうちアプリが出現するのを待つしか無さそうだ。

  • 処理時間(後日追加)
    HDTV信号処理にはとにかくマシンパワーが必要である。2.4GHzのIntel CoreDuoプロセッサ環境で、MPEG Streamclipを使い、1920x1080のTSストリームを1280x720のmp4形式(2500Kbps指定)に変換するのに実時間のおよそ4倍、1920x1080のままmp4形式(4000Kbps指定)に変換するのであればおよそ6倍の時間がかかる。他の方法でもっと速く変換すると画質が荒れるようだ(MPEG Streamclipは優秀である)。例えば1時間半のコンテンツであれば、1280x720変換で6時間かかる事になる。終夜運転が必須かもしれない。

 色々とあるが、要するにまだMacのHDTV環境は発展途上だという事だろう。上でも触れたように、録画したTSストリームを最終的にmpeg4形式などに変換する時になれば、幾らマシンパワーがあってもその時間は非常にかかる。こういうモノこそxgridに対応すると良いと思う。「ラジオライフ・テクニカルムック:裏テレビ活用テクニック4」によると、録画機でAVC録画されたものをブルーレイではなく、通常のDVD媒体に書き出す事でプロテクトは軽くなるのだそうだ。アニメのキャプチャであるなら、そちらの方が合理的かもしれない。ただ、画面サイズ変更をするとなれば、どっちにしても変換処理は必要となってしまう。

 まあいずれにしても、訳の分からないプロテクトを偏執狂のようにかけまくる日本放送界の精神構造のお陰で、ユーザが迷惑千万を被っているという構図が全てであることは述べておかなくてはなるまい。フリーオも新ドライバでB-CASカードが不要になったとか、新型のチューナユニットPT1が出るとか、この方面も話題に事かかない。ブルーレイのプロテクトも幾ら変更してもすぐに解読されているし、放送信号を直接TS形式で取り出せるチューナも幾つもある。いい加減、学習というものをしたらどうであろうか。

 ところでMacRumorsなどによると、次期OSXのアップデートには、ブルーレイ対応が含まれるのではないか、という下馬評があるそうである。Macにブルーレイドライブを接続してみると、ブルーレイのファイルシステムは既にきちっとマウント出来ることが分かる。噂の正偽はともかく実際にMacの側の準備は整っているようである。

                           2008.09記す


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