iPhone用外部電池ケースを比べる
 iPhone 3G(以下、iPhone)でゲームなどをしていて、かなり電池が減る思いをした方も少なくないと思う。iPhoneの内部電池は決して非力ではないが(普通の携帯より大きい)、アプリによっては電力を消費してしまうのは仕方がない。それをサポートする為に幾つかの外部電源が市販されている。ここでは、iPhoneのケースとしての形状を持つ製品2種類を購入して比較してみた。面白いことに、両製品は対照的と言っていい位、コンセプトの異なるものであった。以下、それをレポートする。購入の参考などにしていただけると幸いである。(2008.12.記す)
OMOLO社のiPower
FocalPoint社のmyPower
マニュアルは日本語である マニュアルは英語である
箱は明らかにiPhoneのものを意識した紙製の直方体。見た目は似ているが、フタと箱本体との隙間などで制作精度の違いが見られる。値段を考えれば良く頑張っている ケースは透明プラスティックのもので、普通のiPhoneアクセサリによくあるような形態である
iPhone本体を装着するとバネでがっちりと固定され、安定する。厳密に言えば若干のガタつきは見られる。色は白と黒があるが、白の表面は光沢、黒の表面はつや消し。なお、箱もそれぞれ黒と白である iPhoneは内部にぴったりとはまり、ガタつきは全くない
iPhoneに何らかのカバーがあると装填できない 薄いカバーであれば何とか入るようだがお薦めできない
iPod Touch(第一世代)も装着は出来るがサイズの関係でホールドがされない iPod Touch(第一世代)を入れると内部に隙間が出来るが、使える事は使える
iPhoneを装着するとiPhoneのスピーカがオフになり、バッテリー側にあるミニスピーカから音が出るようになる。ただ、この音がひどい。ヒスノイズが混じり、音は割れ、まるで昔のラッパ型拡声器のようである。しかも音量が小さくなると自動的にオフになるので、音楽を聴いている時などでは音がブツブツ切れる。(改造方法を下方に述べる) iPhone装着時でもiPhone本体から音が出る。一見して出口が塞がれているように見えるが、問題なく聞こえる。また、同じようにマイク入力も問題はない。
一方、このケースに装着するとiPhoneの周囲光センサが塞がれてしまい、事実上、自動光量調整が効かなくなる。(回避方法を下方に述べる)
iPhone本体を装着すると、iPower側からiPhoneへの充電が開始される。そのままiPowerからの電力供給でiPhoneが動作、iPower側が無くなってからiPhone自身のバッテリでの動作になる iPhone本体を装着してもmyPowerからの充電は行われない。myPower側からの電力供給でiPhoneが動作、myPower側が無くなるとiPhoneの内蔵電池による動作へと移る
USB端子との接続は純正ケーブルを用いる。マニュアルにはSyncが可能とあるが、やってみた限りでは認識しなかった。iPhoneを装着したままであると、iPhone本体のみ充電されるとある。外出時、必要な時に本ケースを取りつけるコンセプトと思われる USBとの接続は、ケースにあるUSBミニ端子経由で行う。iPhone装着のままでSyncが可能。また、装着のままiPhone本体と外部ケース側と両方とも充電される。基本的にiPhoneを入れたまま、日常使うように想定されているのであろう
ケースには青色LEDが3つ付いており、iPhone装着時の充電では3つが一斉に点滅、iPhoneを外して本体だけの充電では3つが順番に点滅、充電が完了すると点灯しっぱなしになる。使用時、iPhoneを装着していると3つが常に点灯しており、電池が減るに従って点灯するLEDの数が減る。最後の1個になると点滅をする ケース側面下部に小さなLEDがついている。充電時には赤、充電完了で緑、使用時には黄色になる。iPhone装着時は点灯しっぱなしである。説明書によると使用時、電池残量によって色が変わるとあるが、使ってみた限りではそうなっていない。電池が無くなると単に消灯する
スペックによると電池容量が2400mAHとなっていて、かなり大きい。耐久テストをしてみた訳ではないが、それなりに余裕を感じる使い勝手である(あくまで主観) スペックでは電池容量が1500mAHとなっているので、およそiPhone本体内蔵と同じ位であるが、実際に使ってみるとどことなく本体内蔵の電池よりも、この外部ケース内電池の消耗が早いような感じがする(こちらも主観)

その他事項
両ケースとも大きさ(外形)は左右上下厚さとも殆ど同じである。

myPowerは皮製だが、ベルトを通す仕掛けのようなものがあれば更に使い勝手が良くなったかもしれない。

どちらも胸ポケットに入るサイズだが、iPowerの方がプラスティックである分、滑り易いので上体を前傾した時に落ちやすいように思う。同じ理由で手に持った時の安定感もmyPowerに軍配。

iPowerの青色LEDはかなり輝度が高い。暗闇で使うと近くの物を照らし出すのに充分な程である。myPowerのLEDは小さい上に輝度も低い。良く見て分かる程度であり、デザインに溶けこんでいると言える。

両者ともiPhone本体のボタン類は同じ位に操作し易い。装着した上での操作のし易さという点ではほぼ互角である。

結局どちらがベターかという話だが、パワー量でiPower、持ち易さでmyPowerというところであろう。最終的には好みの問題であり、辛口子としても決定的な差を感じないのでどちらか一つには絞れないというのが正直なところ。ただ、iPowerの音声出力が外部に切り替わらなかったら、コストを含めiPowerに軍配とするだろう。

なお、本題と直接関係はないが、iPhone本体の電池消費、特に待機電力を減らすには一般設定のロケーションサービスをオフにしておくのが効果的なようだ。



myPowerで光センサを可能にするには
 ケースのスナップ部分(iPhoneを入れてから、フタを閉めるような形になっている)がセンサを塞いでいるので、図の赤い線のように一部分をカットすれば、センサに光が入るようになる。このあたり、少し設計に詰めが甘いような気がする。
 この時、裁縫部分(糸)を切る事になるので、切断部分からほつれる事がないように、図中、赤い矢印で示したあたりを瞬間接着剤か何かで固定しておくと良い。切断面の色が気になる場合は、黒マジックで塗りつぶせばOK。


iPower使用時にiPhoneのスピーカを使えるようにする
 本改造にはそれなりのスキルが必要である。また、当然ながら保証は効かなくなる。あくまで自己責任でやって欲しい。如何なる損害が出ようと本欄は関知しない。必要なものは、精密級のハンダゴテ、精密級ピンセット、拡大ルーペ、小型十字ドライバーなどである(必須ではない、各人工夫されたい)。
 ケース iPowerを逆さにする。4個所の窪みが見えるが、そこを精密ドライバかピンセットの先などを使い、右図のようにカバーを取り除く。ここは両面テープで止められているだけなので、簡単に剥がれる。

 取り除くとネジが見えるので、4個所とも外す。

 ネジを外したら裏蓋を持ち上げるようにして取り外す。右写真のように、iPhoneを押さえる部品と、iPowerのスピーカ音量調整ボタン部分が外れるので、取り外しておく。写真に裏蓋は映っていない。

 写真ではまだ外してないが、スピーカ(黒い楕円)も持ち上げれば簡単に外れるので外しておく。磁気を持っているので周囲の鉄を引きつけるから注意すること。

 基板部分の拡大写真。矢印で示した2本のネジを外す。バッテリーが繋がったままなので、この時基板上の部品に金属を触れるなどすると、ICを壊す恐れがある。くれぐれも注意して行うこと。

 ネジを外したら、図で上方向にめくるようにして基板を持ち上げる。バッテリーは特に固定されていないので、丁度、レポート用紙をめくるようなつもりで良い。裏側には別の配線があるので、下手に力を入れたりしないように留意する。(次写真参照)

 基板とバッテリーを開くようにどけた所(上写真とは向きが90度違う)。

 図中、青矢印で示した部分が現れる。ここがいよいよ改造となるところである。

 この部分に並んでいるピンのうち、図の向きで手前から5本目のピン(ピン番号は21だが見ても分からん)にハンダゴテを当て、ハンダが溶けた瞬間、尖った物か何かでピンを持ち上げて接続を切る。

 基板を痛めないように、コテ先の温度に留意、素早く行わなくてはならない。

 カッターなどで基板上のパターンを切断してもいいが、非常に細いパターンが走っており、近隣の線を切ってしまうと致命傷となりかねないからあまりお薦めは出来ない。

 写真のように持ち上げたピンは、そのままでも特に他と接触したりしないので、絶縁などしなくても可。

 再びアセンブリを組み直す。組み直す前にiPhoneを装着してみて、本体から音が出るのを確認しても良い。電源は通じているので、この状態で裏返せばiPhoneをテスト出来る。組み直す時には、特に3つ上の写真に見える2つの外れた部品を組み入れるのに、多少のコツがあるがそれほど難しくはないと思う。

 言うまでもないが、この改造によってこのケース、iPowerの内蔵スピーカは無用の長物となる。これで音はiPhoneから快調に出てくる。それにしても何でこんな設計にしたのか全くのところ理解出来ない。


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