MacProとRAID環境を評価する
評価の環境
RAIDの効果は
マルチCPUの効果は
LED Cinema Display
 BTOでRAIDカードをチェックすると、カードはMacPro本体に装着されて送られて来るが、RAIDの設定はされていない。通常、まずマシンが届いたら別のマシンから環境を移す操作を行う訳だが、この時点ではRAIDになっていない訳である。辛口子の場合、FireWire800で接続してこの「転送」に3時間程度かかった。

 それからマシンをブートし、環境を調整し、それから改めてRAID化にかかる事となる。RAID化にはRAIDユーティリティを使うのだが、システムディスクをRAID化するにはまずインストールDVDをブート、OSのインストール画面の手前でメニューからユーティリティを選び、それからRAID化を行わなくてはならないので結構面倒くさい。辛口子の場合、1TBのHDDを2台装着、そこにOSなどを入れ、それをストライピング化した訳だがこの処理に6時間かかった。その間、停電でもしたらどうしようかとなかなかスリルであったが、いずれにしろ簡単に切り替えられるものではない。

 さて、ストライピングというのは何かというと要するに2台のHDDを1台に見せ、その時、2台をそれぞれデータストリームの「上半分」と「下半分」に割り当てるものである。例えば1バイトのうち、上半分の4ビットを一台目に、下半分の4ビットを二台目に対して読み書きするようなものを想像すると良い。従って、データ転送速度は倍になる。また見かけ上の容量も倍(この場合なら2TB)になる。その一方で、セキュリティという面ではどちらかのHDDがクラッシュすれば共倒れとなるから、故障発生率は倍になる。

 実際には最近のHDDではよほど下手な使い方をしない限りまずクラッシュは無くなっているので、故障発生率が倍と言っても心配する必要は殆どない。高速性と安全性を両立させる為には、HDDを更に増やす手もあるがそこまでは試みなかった。なおRAIDカードを装着していると、本体ドックベイに入れたHDDは全てRAIDカードで認識され、システムプロファイラのシリアルATAポートには出て来ない。増設したHDDを別ドライブとして認識させるにも、ただ入れただけでは駄目でRAIDユーティリティによる設定が必要である。この時、通常に使用していたHDDは中身が消えるようである。逆に戻す時は大丈夫だと説明があるが試していない。他のマシンからHDDを移植する時には注意が必要である。

 という訳で、測定した結果が以下である。まずファイルのコピーについて測定した。ホームのパブリックフォルダに800MBほどの単一データを置き、それをCMD-Dをして処理が終わるまでの時間をストップウォッチで計測したものである。

 また、別の数値として、Photoshop(CS3)で4K画像ほどのJPEGデータ10枚を一度に開いて、開き終わるまでの時間を測ったものもここで示す。こちらの測定はまず本体をリブートし、最初に一回行い、一旦PhotoshopをQuitしてから同じ操作を繰り返した。これは残っているキャッシュの効果を見るためである。

 見てのとおり、ファイルコピーでのRAID効果は確かに大きい。PhotoshopでのファイルオープンにはRAIDとの間で目立った差は出ていないが、これはプログラムの起動にHDD以外のリソースが絡む為でもっと巨大な画像を処理するとなれば違いは顕著になると思われる。また、アプリを多数起動させておいてそれらを頻繁に切り替えるような時にも、効果は大きいだろう。

 こうして見るとiMacのもたつき感は、まさにこのHDD速度にあったと言えそうだ。例えばiMacでは、iTunesでムービーを2〜3本ダウンロードしているだけで、他のアプリがなかなか起動ぜずにイライラする事があったが、MacProではそれは全く感じられない。MacProならiTunesでムービーをダウンロードする一方で、別のマシンにデータを転送していても、もたつき感は無い。この軽快さがMacProではないかと思う。

 ところで、それではRAIDの価値はどの位あるだろうか。結論から行くと、例えばハイビジョンムービーをバリバリ編集するとか、百メガバイトクラスの画像データを大量に処理するとか、そういうハードな用途を別にすれば通常のシリアルATA構成でストレスなく使えると言えそうだ。RAIDカードはかなり高額なので選択に迷っている向きに参考となれば幸いである。


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