米SONYのBDP-S370を評価する

 Blu-ray再生専用機として評価が高いという米SONYのBDP-S370。今度日本でも国内版が発売されるとの事だが、アマゾン・ジャパンで海外版が売られていたので少しスペックなどを調べてみた上で、モノは試しと購入してみた。以下、な本コーナーで既に取上げている安価なBlu-ray再生専用機であるHBD-0800との比較を交えて評価結果を列挙してみたい。

  • 起動時間は25秒ほどある
    本機のウリの一つが3秒起動であるが、それはシステムの設定で Quick Start Mode をオンにしていた場合であり、これがオフだと画面が出て READY になるまで実測値でおよそ25秒ほどある(ディスクトレイのオープンはREADYより前に可能)。ただ、HBD-0800は30秒強でそれまではトレイも開かなかったから、数値よりは早いという実感はある。なお、ディスクの認識、Blu-rayの再生開始までの時間は辛口子の手元にある他機種と比べても間違いなく速いと断言できる。

  • 操作画面はまるでPS3
    下に示したとおりである(笑)。

  • DVDはリージョンフリー
    既にネットで情報を得ていたが、確認してみたところ確かにそうであった。PAL形式を変換してはくれないとどこかで見たような気がするが、試してみたら変換機能は入っている。ただし、HDMI出力のみ正常でVideo出力ではモノクロになるなど画像が歪んでいた。HBD-0800もリージョンフリーでこそないが、同様にPALディスクもNTSCに変換して再生してくれる。なお、DVD画像をHDに拡大する機能はなかなか高画質に思えた。

  • 電源は100Vで問題なく動作
    スペックには110Vからとあるが、特に問題なく動作している。

  • 短い映像クリップの絵が出遅れる事がある
    DVD再生で割と顕著なようだが、例えば冒頭に短いロゴクリップのようなもの(独立トラック)があると、音だけ出て絵が真っ黒のまま少ししてから絵が現れるケースがある。無論、音と絵がずれる訳ではないが、かような再生機は初めてである。下記にあるフルHDムービーデータの再生に絡んで、処理能力が足りないのではないか。(本項は8/14に追加)

  • 録画機で作ったBD-Rは再生できない
    これは辛口子的にはがっかりで、MPEG4AVC形式のみならずDRモードでの録画媒体も再生してくれなかった。またDVD-Rに録画したMPEG4AVCも同様であった。プロテクトのかかっていないコンテンツのディスクも受け付けない。要するにファイルシステムそのものを認識しないのではないかと思われる。ちなみにHBD-0800はいずれも再生出来る。また、本記事執筆時点で、PS3はDRモードで記録したBD-Rなら受け付けるので、この点に関してはPS3以下の機能である。

  • DLNAサーバアクセスは制限が多い
    こちらのマシン上で動作させたDLNAサーバプログラムを認識するがアクセス出来ない。どうやらDLNAサーバから見える名前が「Playstation 3」ではない事が原因らしい。ちなみにPS3からそのサーバは問題なくアクセス出来る。ということは、PS3用に限定されないDLNAサーバを立ち上げればいい筈だが、そこまでは試す時間がとれなかった。

  • 外部媒体でのファイル名は英語のみ
    USB端子が正面と裏面にあり、そこにSDメモリを繋ぐと画面にファイル一覧が現れるが、ファイル名が表示されるのはアルファベットのものだけで、2バイト文字が1文字でも入っているとファイル名全体が表示されない。また認識するのはFAT32だけのようだ。

  • フルHDのムービーは再生出来ない
    前項に関係して、フルHDのムービーを再生させようとしても再生されない。幾つかの形式を試してみたが同じだった。辛うじて音だけ出るものもあったので、要するに動画のデコード速度が足りないのではないかと思われる。ちなみにHBD-0800では再生出来るものばかりを試した結果である。

  • iphoneでのリモコン操作
    スマートフォンからLAN経由でリモートコントロール出来るソフトがフリーで公開されている。iPhoneの場合は、iTunesストアから「BD Remote」という名でサーチすれば日本からでもゲット出来る。使ってみたが、まあリモコンを本体に向けなくて良いだけであとはさして便利という感はない。リモートアプリの出来もいまいちで(エミュレートしているボタン配置が使いやすくなく、しかもカスタマイズも出来ない)、ディスクのイジェクトは出来ても電源オフが無いなど結局は赤外線のお世話になるからだ。電源オンはともかく、オフくらいあっても良いと思う。

  • AVATARのブルーレイは再生できる
    まあこれは当然であろう。ちなみにHBD-0800の方は本記事執筆時点でまだファームウェアのアップデートが無いので再生出来ずにいる。

  • AV端子は少ない
    通常のビデオ端子で出ているのはコンポジットとコンポーネントだけで、S端子もD端子もない。デジタル音声出力端子は光の角型と同軸型の両方が備わっている。

  • マニュアルは英語版と中国語版の二冊
    本体の表示言語も中国語か英語を一番最初の起動時に選ぶようになっている。無論、再生するディスクの字幕などの表示は全く問題はなく日本語が出る。

 以上から結論づけると、市販のディスクを再生するには非常に有用であるが、外部メモリやネットワークサーバから再生を行いたいならあまり良い選択肢ではないようだ。ちなみにファームウェアは最新(M03.R.623)にアップデートして行った。尚、辛口子の個人的な予想だが、国内発売版はリージョンフリー「ではない」ような気がする。

 それにしても、どうも日本のメーカというのは製品を作る上で、スペックを小さめ小さめに考えるようだ。それはDLNAサーバの制限、外部ファイルの名称などに見てとれる。中国製品の「何でも取り入れよう」という貪欲さがない。今の家電製品は故障などまずしないので、これでは競争力で不利になるのではないか。

(2010.08.08)


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