ChromeBookを使ってみた


 ご存知、Googleが提供している超安価ノートPCである。本体にはデータはほとんど置かず、Googleのクラウドに保存する。 この仕組みは徹底していて、基本的にマシン本体のSSDは16GB、メモリも4GB(或いは2GB)というロースペックである。一方でPC本体にはUSB端子やSDスロットがあり、リムーバブル媒体を使う事は十分に考えられている。何よりも凄いのは価格であって、今回使ったAcerのC720は3万円か4万円程度。MacBook1台で4台買える。ネット利用に徹底しているので、例えばYouTubeは十分に観賞でき、VRムービーも再生できる。

 しかしDVDドライブをUSB端子に接続しても、データディスクとしてなら読めるが映画は再生できない。ブラウザも事実上Chromeオンリーである。自前でアプリを追加するにはGoogleのアプリサイトからDLする事になる。案外種類はない。液晶はIPSで視野角によって見え方は異なるから、画像修正には向かないだろう。そもそも値段が値段だから、MacBookの液晶と比べるのが間違いだ。しかしネットサーフィン、ドキュメント作り、メールなどなら何の問題もない。全体のデザインや材質に高級感はないが、無骨なだけにどこへ持って行って壊れても惜しくないというメリットもある。なにせデータは全部クラウドにあるので、例えトラブってもOSさえリカバリすればデータは自動的に揃う。リカバリはSDカードを使い、そのカードはChromeBook以外にMacOSでもWindowsでも作成する事ができる。

 さて、色々と調べているうちに、Linuxとデュァルブートにする方法がある事を知った。このサイトが良くまとまっている。

→ChromebookにGalliumOSをインストールする方法

 続いていくつか情報を漁ったところ、AcerのC720というChromeBookがこういう目的には使い易いらしいと分かった。さっそくアマゾンで購入。メモリ2GBで3万円、4GBで4万円ちょいである。私は英語キーボードが欲しかったので輸入品を選んだ。内蔵SSDは16GBだが、6000円ほどで128GBに交換できる。やり方は上記記事の中にリンクがある。改造すると保証が効かなくなるが、こんな安いノートなど下手に修理になど出してもペイしない。

 さて、SSDを交換したらまずChromeOSをリカバリする。次いで記事通りにLinuxのGalliumというパッケージを入れる。記事では128GBのパーティションを半分に切っているが、どうせChromeOSには殆ど使わないのだから、Linuxの方に80GB程度割り当てた方がいいだろう。インストールのスクリプトで最後に-vオプションが付いているが、これは付けなくても良い。付けなくても何パーセント進行中かは表示される。なぜか一度失敗したが、2度目に成功した。リブートし、ChromeOSを選びセットアップ、次にLinuxを選び、ログイン、今度は日本語環境を入れる。それで基本的なネットサーフィンなどはOKだ。記事によればDesktop表示も日本語化されるように書かれているが、私が入れた限りではそうはならなかった。しかし日本語入力や表示には何も問題はない。

 使用感である。ChromeOSは何かの機能を最初に使おうとすると、ハングする事があるようだ。リスタートして再度同じ事をすれば動作する。何かのバグなのか、この環境特有のものなのかは分からない。それ以外、特に問題はなく動作は極めて軽快である。電源を入れ、ChromeOSを選ぶとほんの数秒でログイン画面になる。パスワードを入れると直ちに使える。スリープモードなど不要なほどだ。ブラウザなどの表示もキビキビしてストレスがないし、ムービー再生も滑らかである。なお、このC720には冷却ファンが付いているが、これまで色々試してみても動いた事がない。YouTubeのムービーを色々再生すると本体下部が少し暖かくなるが、それでもファンは静かなままだった。

 追補:数日使ってみると、とにかくChromeOSって良くハングする。基本的にChromeブラウザ上で色んな機能が動く仕組みとなっており、Youtubeを見るにしてもメモを書くにしても良く見るとChrome上なのだが、新しい事をやろうとするとChromeがハングする。Chromeを閉じて再度開いてもダメで、結局、マシンのリスタートをして正常に戻る。将来的には良くなるのだろうが、はっきり言って完成度が高いとはお世辞にも言えない。Linuxの方がずっと安定している。

 さて、Linuxである。こちらも起動は十秒程度である。すぐにログイン画面が出て、ログインすれば即座に使える。ネットサーフィンもムービー再生も全く問題はない。UNIXだからターミナルを起動するのも自在だし、先ほどの記事だけではDVDは再生できないが、アーカイブでCODECを追加すれば出来るらしい(試していない)。

 MacOSの環境に馴染んでしまうと、ChromeOSにしろLinuxにしろ、他マシンとの情報やりとりが不便だと実感する。DropBoxか何かを使うか、USBメモリを使うのが一番てっとり早そうだ。また、どちらのOSも、Noteに付属のタブレットとの相性が今少しである。デフォルトではタブレットにタッチしただけでクリックと解釈するようになっているが、これが結構誤動作の元になるので(例えばスクロールをしている時にその中の一つを突然選択してしまったりする)クリック動作に切り替えると、今度はクリックが重いので細かな操作、例えばDesktop上でのウィンドウサイズ変更などがしにくい。一番いいのは、USB小型マウスを別途購入して繋ぐ事だろう。このマシンはBluetoothも搭載しているのでワイヤレスマウスも使用可能だが、マウスによっては認識しない場合もあった。

 なお、FLASHであるが本記事執筆時点ではChromeOSではサポートしている。Linuxはデフォルトでは対応していない。アドビにインストーラはあるが、試してはいない。Linuxの日本語環境は良くできているが、日本語IMがデフォルトでは入力をスルーするようになっていて、かな変換をデフォルトにする事ができない(ログイン後、一度設定すればログアウトまではOK)など、細かいところでの使い勝手にいまいち感は拭えないが、まあ致命的ではない。マウス感度などもGUIではなくターミナルでコマンドを打たなくてはならなかったりする。まあログインスクリプトに記述してもいいのだが、あまり一般的ではないだろう。

 総じてとにかくコスパの良さと動作の軽さが際立つ。性能もネットベースで使う上では不足している部分はないと断言できる。画像変換やゲームなどは別のマシンでやるべき話だ。これまで一度か二度、画面が真っ黒になって何もできなくなる事があったが(原因不明、再現性なし)、リスタートで問題なく復帰できた。Googleにデータを提供したくなければ、デュアルブートにしないでLinux専用機にすれば良い。なお、他のマシンでChromeブラウザを使い、Googleアカウントでログインしていれば関連情報は全部Googleが把握しているようで、ChromeBookの方にもBookmarkなどは反映されていた。

補足:
 書き忘れていたがChromeOSはプリントアウトが割と不便である。Googleのクラウドサーバ経由で出力する。新しいプリンタは大抵それに対応しているが、設定をしなくてはならない。素人には結構敷居が高い。プリンタがない場合はクラウドサーバのGoogle DriveにPDF形式で保存されるので、それを別マシンで開いてプリントアウトする事になるが、これの方が多少手間はかかる一方でわかり易いかもしれない。

2016年8月記述   

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