MacProのRAIDカードを外してみた

 MacPro (Early 2009)のRAIDカードを外してみた。終わってしまえばナーンダだったのであるが、作業中は結構冷や汗をかいた。以下、その顛末をレポートする。(2010.12.28)

 何が苦労したかというと、RAIDカードを外したあとで内蔵しているHDDをなかなか認識してくれなかった点である。起動し、ノーマルの起動音がし、それから画面にアップルマークが出てもちっともブートプロセスに入らない。システムのDVDからブートさせようとしても、ブートプロセスに入らないのでこれも駄目。MacBookでネットを検索しても、そもそもこのRAIDカードの情報が殆どない。カードそのものの説明書、RAIDユーティリティの使い方、MacProの説明書などはあるが、カードの外し方というような記述は全く見当たらなかった。やむを得ず、ほぼ直感だけでPRAMのリセット(起動音直後にCMD+Option+P+R)をしてみたが、これでもブートしない。万策尽きてアップルジャパンのサポートセンタに電話して事情を説明していた時である、いきなり画面上のアップルマークの下に回転バーが現れ、ブートプロセスが始まったのであった。

 要するにどういう事かというと、内部のハードウェアに変更があった場合、それをスキャンして再学習するのに時間がかかるのだ(実測はしてないが10分くらいかかったと思う。サポートセンタの電話だけで5分待ったのだから)。PRAMリセットが結局は効いたという事らしいが、再スキャンにこんなに時間のかかるものとは思いもしなかった。もしかするとUSBやFireWireのデバイスを幾つも繋いでいる為かもしれないが、いずれにしろ一度認識してブートしてからは再起動しても直ちにブートプロセスに入りあとは快調である。

 この経験から、正しいRAIDカードの外し方をメモっておこうと思う。上は外したRAIDカードの写真だ。Early 2009型Mac Proのカード外しは極めて簡単である。特に線を抜く必要もないし、何かのスイッチを切換える必要もない。ただ、RAIDにしていたHDDの中身は原則として非RAIDでは認識しないので、新たにシステムをインストールするので無い限り今のシステムをそのままシングルHDDに移行したいと思うのが普通だろう。

 で、これが結構厄介なのである。シングルのHDDから例えばRAID 0のような状態に移行する事は、RAIDユーティリティで可能だが(ただし数時間かかる)、逆は出来ないのだ。最も合理的な方法はTime Machineを使う事である。もう一台のMac Proがあるのだったら、こちらをターゲットディスクモードにするという手もあるが、普通そういう条件は整っていないだろう。そこでRAIDカードを外す前に一旦、TimeMachineに最新状態を保存、それから作業にかかるのが最も良いと言える。

 この時ももし心配なら、HDDを一台新規に購入し、それをHFS+に初期化しておけば、RAID状態のHDDは元のまま保存されるのであとでRAIDシステムにすぐに戻す事が出来るだろう。そうしたい場合は新規HDDに対してまずシステムDVDからシステムを入れ、その時にTimeMachineからのリカバー操作を指定、あらかじめシステムの入った状態にしておくとあとがやりやすいと思う。用意が出来たらMac Proを開け、RAIDカードを取り出し、必要ならHDDを装填或いは抜き、元に閉じてから電源オンという手順になる。RAID状態のHDDはカードを抜くと「初期化されていないHDD」に見えるので、ユーティリティを起動してHDDの初期化を行う必要がある。

 TimeMachineからの復帰作業は時間がかかる。LAN経由のTimeMachineからだと途方もない時間を要するので、可能であるならFireWire接続の外付けHDDをTimeMachine用に使うのを薦める。それでもOSだけならともかく、通常はユーザデータや様々なアプリもあるので数時間を覚悟する必要がある。寝る時にセットすれば起きた時には終わっているというような具合だろう。

 ところで何故、わざわざRAIDカードを外そうと思うようになったか。それは最近になってRAIDバッテリーの充電が次第に怪しくなってきたからである。ほぼ三ヶ月に一度くらいの割合で、このバッテリーは再充電が行われる。大体12時間くらいかかり、この間は書込みキャッシュがオフになると同時に、この間に電源オフをしてはならないという結構厄介な仕組みだ(もう少し何とかならんのか)。ところが購入してまだ1年ちょいだというのに、12時間の再充電を終えてもまた次に起動すると再充電を要求するようになってきたのだ。この電池は結構劣化するらしい。これを解決するには電池交換が必要だという。で、12時間の再充電を結局4回くらい繰返してようやくOKとなったが、結構煩わしいので物は試しに外してみて実感パフォーマンスがどの位違うのかをもう一度試してみようかと思うに至ったのである。

 結論から行くとほぼ1日経た現在、これまでパフォーマンス重視でRAID 0にしていたシステムを通常のHDDに変えて、特に遅くなったという実感は無いと言って良さそうだ。2台のHDDで構成していたRAID 0を2台のドライブに変え、片方にシステムを入れ、もう片方をPhotoshopのキャッシュに割り当ててみたが、パフォーマンスは良好なようだ。要するに、これからMac Proを購入しようと思うのなら特に巨大なムービーを扱うとでもない限り、RAIDオプションは不要だろうと言えると思う。


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